« 魅惑の広州 その1【中国日記vol.103】 | メイン | 魅惑の広州 その2【中国日記vol.104】 »

燗酒の勧めと清酒の効用【酒蔵便りvol.4】

 今さら燗酒(かんざけ)なんて…、と思われる向きも、しばしのお付き合いを。

 ひと昔前までなら清酒といえば「燗」で決まり。特に寒い季節には「燗をつけてちょいと一杯」が身も心もあったかくしてくれる特効薬でした。ただし、ひとくちに燗といっても、ただあっためりゃぁいいってもんじゃありません。酒の種類によって、いちばんおいしくいただける温度は異なるもの。だからきちんとした料飲店には必ず、湯に徳利を漬けて飲み頃の温度にする「お燗番」(おかんばん)と呼ばれる人がいました。それぐらい温度管理にはデリケートな気配りが求められたのです。
 料理と民族の酒は互いに高め合って進化してきました。清酒は日本料理と共に日本が誇れる食の文化。繊細な和食の味わいを引き立てるには燗酒がぴったりなのです。そこで昨年あたりから清酒、とりわけ燗酒文化を見直そうという動きが活発になってきました。

 燗酒は料理の味に深みをもたらすだけでなく、体にいいことがたくさんあります。まず燗をした酒を飲めば体がほかほかと暖まります。しかも温かさが長続きするのが特徴です。ぜひ湯船に1合ほどの清酒を注いでお風呂に入ってみてください。体がほっかほかになって寒い夜でもぐっすり眠れます。
 また清酒にはアミノ酸がたっぷり含まれています。このアミノ酸が美容とダイエットに役立つことは、皆さまご存知の通り。お肌に塗ってよし、飲んでまたよし。いずれもその効果は折り紙付きです。こうしたアミノ酸が含まれるのは、醸造酒ならではのメリット。焼酎やウイスキーなどの蒸留酒(つまり成分はアルコールと水だけ)では、こうはいきません。
 さらに、何と驚くなかれ! 清酒には糖尿病の予防効果まであるのです。愛媛大学医学部の研究によれば、日本酒にはインスリンに似た働きをする成分が含まれることがわかりました。これが血糖を脂肪に取り込んで、血糖値を下げる効果があるのです。
 清酒はカロリーが高くて太る、などとというのは単なる迷信に過ぎません。清酒は基本的にカロリーの低い和食に合うもの。食事と共に飲む酒は、料理との合計で考えましょう。

 と、清酒のすばらしさをご納得いただけたら、今宵あたり燗酒で暖まってみませんか。
 今なら電子レンジを使って、簡単においしい燗をつけることができます。コツはアルミホイルのふたを徳利にかぶせること。こうすれば徳利の中で対流が起こり、全体的にいい塩梅にあったまるというわけです。ぜひ、いちどお試しあれ。