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謹賀新年【酒蔵便りvol.38】

<酒蔵の様子>

門飾りと新しい杉玉 平成も20年という節目の年を迎えました。昭和は遠くなりにけり。感慨深いものがあります。
 中谷酒造も155年目に入ります。旧家はどこも同じかもしれませんが、正月を迎えるにあたって伝統的な習慣を守り続けています。

 12月30日は餅つき。残念ながら臼と杵を使わなくなりましたが、餅つき器で二臼つきました。一臼は鏡餅に。残りは丸餅にして正月の雑煮用です。
 31日は、門の正月飾りを作ります。江戸なら武家風に門松ですが、奈良盆地の農業地帯にある中谷家では伝統的に竹に藁飾りを付けたものです。又、門に吊された杉玉を取り替えました。杉玉は、新酒ができる時期に新しい物に取り替えますので、新酒ができた目印にもなっています。緑の杉の葉が香ります。
 次は鏡餅のお供えです。三方(さんぼう)にウラジロを敷いてその上に鏡餅、昆布、橙、干し柿、勝ち栗を載せ、酒蔵の松尾さんと奥座敷の床の間に供えました。松尾さんは、酒造りの神・京都松尾大社のことで、造り酒屋にとっては最も大切な神様です。奥座敷は、元旦のお祝いの食事をする場所です。

 お節料理作りも欠かせません。母が亡くなった後は、伝統の味を私、六代目当主自身が作り伝えています。昔から醤油は濃口を使っていましたが、今年は色目を重視して初めて薄口醤油を使いました。
 中谷家では伝統的に四段の重箱です。
 一番上は口取り。ごまめ、黒豆、数の子、栗きんとん、紅白蒲鉾など。
 二の重は酢の物。酢ゴボウ、はじかみ生姜、日の出海老、酢蓮根など。
 三の重は焼き物。ブリ、鳥、海老、ロースハムなど。
 四の重は煮物。棒鱈、海老、クワイ、竹の子、蓮根、ゴボウ、干しシイタケ、人参、こんにゃくなど。
 お重に詰め終わるのは夕食後。晩酌の酔いも速く回って、紅白歌合戦を見ながらうたた寝です。
 こうして翌元旦には、厳かな気分で新年を迎えることができました。
 皆様、今年も宜しくお願い申し上げます。皆様のご健康とご繁栄をお祈り申し上げます。

写真:門飾りと新しい杉玉

<今月のテーマ>

今月はお休みとさせていただきます。