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最終回に代えて 御礼と賞品付き感想文の募集【中国日記vol.156】

 「若社長」こと私、中谷正人は、今年満50歳を迎えます。1996年に連載を始めて早、13年。37歳の「若社長」も還暦を意識する年齢になりました。

 「羊頭を掲げて狗肉を売る」という言葉がありますが、50歳が近づくにつれ、「若社長」という題名に抵抗感が増しておりました折、読者からもそのようなご指摘を頂戴するに至り、ここに連載を終了する決意をしました。

 読者の皆様、VOL.60までを出版下さった蒼蒼社の中村社長とスタッフの皆様、題材のヒントを下さった方々、励まして下さった方々に深く御礼申し上げます。
 読者の皆様に感謝を込めて、賞品付きの感想文の募集をします。文末をご覧下さい。

 遅ればせながら、私と中国との関わり、執筆の方法など、皆様のご興味にお応えします。

 私は、1979年春に早稲田大学法学部に入学しました。その当時、中国語を学ぶ者は少なく、一学年の数パーセントに過ぎませんでした。同学部では、英語以外を第一外国語に選択できましたので、中学時代から独学をしていた中国語を第一、英語を第二外国語に選びました。

 更に同学部では年一回の抽選でその番号順に語学を除く全ての授業を選ぶシステムでしたので、番号が悪かった私は、千人教室で味気ない授業を受けるか、人気のない外国法で少人数教育を受けるかという選択に迫られ、中国法を学ぶことにしました。当時、中国は改革開放経済路線に舵を切ったばかりで法整備を急いでいましたが、その研究の先駆者の西村幸次郎先生が教えて下さいました。

 因みに、当時の早稲田大学は他にも変わったところがありました。法学部は必須科目だけで166単位もあり、六法はもとより労働法や保険法に英米法、それに法哲学まで「てんこ盛り」でした。私など優が30ほどありますが、成績優秀者ではありません。又、全学合同の入学式は会場に全員入りきれないので二回に分けて行いますが、卒業式は一回だけで先着順。私は正装して行きましたが満員で追い返されてしまいました。ただ、早稲田の名誉の為に申しておきますと、現在の法学部は少人数教育に改善され、建物もそれに従って改築され、これは赤旗を振っていたややこしい人々の退去という副産物も生み、卒業式も希望者は全員参加できるはずです。

 お陰様で、現代中国の事情を知り、法理論や条文など法律に関する中国文を精密に訳せる数少ない一人になることができました。就職した自動車メーカーでは中国とは全く関係のないシステムエンジニアなどをしていましたが、退職後の1986年夏には北京に語学留学をし、翌年から勤め始めた兼松江商では出張でも訪れ、私はいわゆる「中国通」と呼ばれる人々の仲間入りをしました。

 執筆にあたりましては、歴史的視点を大切にしました。私は東大寺学園という東大寺が経営する私立中高で、旧制中学さながらに中学から漢文教育を受けて育ちました。返り点や一二点、送り仮名を付けて読み下す方法に疑問を感じ、これが現代中国語を独学するきっかけにもなりました。陳舜臣著「中国の歴史」という大作を繰り返し読み、他にも良い書物を繰り返し読んで頭に入れました。

 連載開始時点では、多くの日本人にとって中国はまだ神秘の国で、日常生活の文化習慣の違いに興味が寄せられ、その方面の文章を書くことが多かったのですが、中国が身近になるにつれ、分野を広げ、深い内容で書くことが増えて行きました。これに歴史的視点を取り入れることで、一般人の知らないこと、知っていることでも関連して理解していないことをすっきりした形でお示しし、それが功を奏してより一層楽しんでいただけたのではないかと自負しています。

 連載中、思えば色々なことがありました。商社勤めから異業種の清酒業界に入り、しかも中国という異国で事業を立ち上げ、酒造りを学び、販売ルートを築き、現在に至っています。困難と試練の連続でした。とりわけ1997年の金融危機では資金繰りに窮し、瀬戸際まで追い込まれました。執筆どころではない状況下、平常心を保つ為に無理をして文章を綴ったこともありました。バックナンバーを読み返しますと、その時々の想い出がよみがえります。

 今後は、「アラカン社長の徒然草」と改題して、中国のみならずもう少し広い分野を題材に日常の思いを綴ってみたいと考えています。「アラカン」とは、もうすぐ40歳を意味する「アラフォー」をもじった、「もうすぐ還暦世代」のことです。是非継続してお読み下さい。

<感想文の募集について>

規定:「若社長の中国日記」から一話を選ぶか、全体について。二千文字以内。

 必ず、1.お名前、2.住所、3.電話番号、4.E-MAILアドレス、5.公開の可否(名前公開の可否、文章公開の可否をそれぞれ)を明記下さい。

 原稿は返却しません。著作権に配慮し、本件以外の目的には使用しません。入賞文の内、公開を可とされたものをHP及び本メルマガで公開する以外、一切公開は致しません。原稿は厳重に管理し審査後は焼却します。

締め切り:2009年6月末日

送付方法:中谷酒造FAX(0743−56−2464)まで。

審査:2009年7月1日。大感謝賞1点、感謝賞2点を選びます。

賞品:大感謝賞に米焼酎「穎」(2009年春季全国酒類コンクール米焼酎部門一位受賞酒)、「若草」(「穎」の姉妹品)各2本、計4本。感謝賞に同じ物を各1本、計2本。更に「若社長のマル珍中国日記」(蒼蒼社)の著者サイン本を大感謝賞、感謝賞共に各一冊。宅配便にてお送りします。

発表:2009年7月に弊社HP及び本メルマガ7月号でお名前と文章を掲載します。但し、公開を望まれないものを除きます。

以上

2009年5月吉日

天津中谷酒造有限公司 董事長総経理
中谷酒造株式会社 六代目当主
中谷正人