酒米の苗作り【酒蔵便りvol.66】

<蔵の様子>

できあがった苗床パレット  酒造りが終わり、蔵の片付けもほぼ終了しました。

  5月10日は朝から曇り。今日は酒造好適米・山田錦の苗床(なえどこ)を作る日です。

  種籾(たねもみ)は、連休中の5日から水に漬け、毎日水をかえて日に当てました。胚芽の根の部分が白くふくらんできますので8日夕方に水からあげておきました。いよいよ作業です。

  パレットに新聞紙を敷き、山砂を入れます。ひとまとまりのパレットに砂を入れ終わると種を落として行きます。

  種落とし機は、手動ハンドルで動くコンベアのようなものです。右端からパレットを順次入れますと、種を適切な密度で落とし、次に栄養のある土を落として被せ、できたものが左から出てきます。

  パレットが途切れると種籾や栄養のある土が無駄に下に落ちますので、途切れることなく次々にパレットを入れ、できたものを運んで規則正しく並べて行きます。全部で124枚、一時間半で終了しました。

パレットを並べて寒冷紗をかけたところ 普通、苗床は田んぼの土の上に並べるのですが、中谷酒造では酒蔵横のコンクリートの上です。鳥が食べないように寒冷紗を被せます。こうして毎日水をやりますと間もなく発芽。一週間で緑の小さな芽が見えるようになります。毎日どんどん成長して、一ヶ月後には田植えという段取りです。

  作業途中から雨がパラつき、やがて雨になりました。今日の水やりはしなくても良くなりました。ラッキーです。

  来月は田植えの様子をレポートします。

<今月の話題> 平城遷都1300年祭

  ようこそ奈良へ!

  平城遷都1300年祭の行事が目白押し。4月24日には復元された大極殿など平城宮跡会場がオープンしました。平城京歴史館には復元された遣唐使船が展示されています。これを機会に多くの方が奈良を訪れて下さっています。

 「修学旅行以来です」。こんな方も少なくありません。高校生の頃、東大寺、興福寺、春日大社、元興寺、唐招提寺、薬師寺、法隆寺といった有名どころを回られたことでしょうが、高校生の視点で、しかも団体でまわった時とは違って、大人になって見る古都の風情はとりわけ心に響くものがあるようです。

 「奈良は遠い」と感じておられた方も、来てみると意外に便利であることに気付かれるようです。メイン会場に近い西大寺駅は、東京駅から新幹線、京都で近鉄線に乗り換えて合わせて3時間。博多駅からも同様に3時間半です。

  おまけに奈良盆地は南北25キロ、東西15キロと狭く、その間を高い密度で電車が走っていますので藤原宮跡、明日香、桜井なども容易に行けます。大阪との間は、地下鉄中央線に乗り入れる近鉄けいはんな線を含め近鉄が4線、JRが2線。最短で30分で結ばれています。

 奈良国立博物館では6月20日まで大遣唐使展が開かれています。「史上空前の規模で遣唐使の全容をたどる」そうです。その他いろいろ。この機会に是非!

この号終わり

写真上:できあがった苗床パレット
写真下:パレットを並べて寒冷紗をかけたところ

2010年5月
中谷酒造(株)代表取締役  中谷正人