節電の夏【酒蔵便りvol.80】

<蔵の様子>

成長した苗 山田錦は、丈が約60センチまで伸びました。たった一ヶ月で約4倍。太陽のエネルギーには驚嘆すべきものがあります。自然の力は偉大です。

 向かいの田んぼを見てみましょう。背丈はあまり変わりませんが株の太さと葉の密度が違います。田植え時に高い密度で植えたこともあり、ほとんど地面が見えません。

 我らが山田錦は、疎に植えていますので収穫量は期待できませんが、良いことがあります。日光が根本に当たって根が深く張り、秋になりますと栄養をしっかり吸収して米粒が充実します。根が強いと台風でも倒れにくいので助かります。更に、風通しが良く、病害虫に強くなります。

 しばらく暑い日が続きますので、成長が楽しみです。

山田錦の田 向かいの田(食用米)

<今月の話題> 節電の夏

 民主党政府の原子力政策がブレ続け、結局関西地方も節電モードに突入です。

 酒蔵では、原酒熟成を緩やかにする為にエアコンを入れていますが、その設定温度を上げています。

 問題は家庭です。昨年から基本的にエアコンは使っておらず、どこを節電するかが問題です。夕方は、庭に水をまき、障子を開け放って過ごし、就寝時は網戸越しに通る僅かな風を頼りに休んでいます。

 エアコンの次に消費電力が大きいのが冷蔵庫と聞き、先ずは冷蔵庫に取り掛かりました。運良く二十年前に購入した一台が故障。省エネ技術が導入された新品に交換です。

 次は冷蔵庫の詰めすぎチェック。古い焼肉のタレ、ドレッシング、何年も前のジャムを発見。即刻廃棄です。缶ジュースを発見。飲みましたが、翌日は数が増えています。女房が補充しているようです。これ以上手を付けるのは危険です。

 風呂上がりの扇風機は必需品ですし、ヘアドライヤーはもとから使いません。結局、エアコン以外に節電余地があまりないことに気付きました。

 近年の猛暑は都市気候が原因とも言われています。夏の家庭で最も電力を食うのはエアコンです。使用した電力は熱に変わり、空気を暖めます。温められた空気は、南風に乗って北に運ばれ、平野の北端に貯まります。埼玉県熊谷市が「日本一暑い」原理です。

 考えてみれば東京中の人がエアコン使用を控えれば都内の気温が下がり、南風によって運ばれる熱気も減り、埼玉県平野部の気温も下がります。そうしますと埼玉県のエアコン使用が減り、節電が一気に進むはず。熊谷市はじめ関東平野に昭和の夏が戻ってきます。皆さん、頑張りましょう。

この号終わり

写真1:成長した苗
写真2:山田錦の田
写真3:向かいの田(食用米)

2011年8月
中谷酒造(株)代表取締役  中谷正人