奈良漬【酒蔵便りvol.104】

<蔵の様子>

濃緑の葉を茂らせる水田 株分かれが進んだ稲

 8月に入ってようやく北陸と東北の梅雨明け。今年は太平洋高気圧が弱いようです。大和路でも曇りと雨の多い夏を過ごしています。
 山田錦は田植えからもうすぐ二ヶ月。株分かれも進み、背丈は50センチくらいまで伸びました。回りの稲と比べて緑が濃く、品種の違いを見ることができます。
 八月中旬は毎日晴れて例年通りの高温が続く予報が出ています。順調な生育を願います。

<奈良漬>

漬物石が乗った状態

 8月6日、塩漬けを終えたキュウリの粕漬けを始めました。
 キュウリが採れる度に桶に追加し、上からたっぷりの塩を掛けていました。最後に補充してから一週間。いよいよ一回目の粕漬けです。

蓋を取ったところ

 漬物桶(おけ)の蓋を開けると乳酸菌が白く膜を作っています。漬物石を除け、木の蓋を取ると、キュウリは水気が抜けてしんなりとし、オリーブグリーンに変わっています。奈良県特産の白い品種も混じっていますが、これはそのままの色です。

取り出したキュウリ

 別に用意した桶にキュウリを移します。漬物桶の底にはタップリと塩が残っていますが、水を切り、生ゴミとして廃棄します。ちょっともったいない気がします。

一度目の粕漬

 漬物桶を洗い、水気を切ってから粕を薄く底に敷きます。キュウリをそろえて並べ、上から粕で薄く覆います。その上にキュウリをそろえて並べ、同様に粕で薄く覆います。これを繰り返して最後まで行うと完成。

完成

 一回目の粕漬けは、塩抜きが目的です。前年に漬けて食べ終わった後の粕を残しておけば、その粕を使うと経済的です。
 約3週間で二度目の粕漬け。ここからキュウリに粕の旨味が入り始めます。そして更に約3週間で三度目の粕漬け。それから約三週間で食べられるようになります。

写真1:濃緑の葉を茂らせる水田
写真2:株分かれが進んだ稲
写真3:漬物石が乗った状態
写真4:蓋を取ったところ
写真5:取り出したキュウリ
写真6:一度目の粕漬
写真7:完成

2013年8月
 中谷酒造(株)代表取締役  中谷正人