土用干し、北アフリカ戦線の情景4【酒蔵便りvol.176】

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<土用干し>

 7月下旬に梅雨明け。すかさず熱帯低気圧(後に台風)がかすめて雨が降ったあと、猛暑が始まりました。
 山田錦、高さは既に60センチに迫りつつあります。土用と呼ばれるこの時期、根を深く張らせる為に、土用干しと言って水を抜いて田圃の土を乾燥させます。地面はひび割れが入り、そこに陽光が射します。根は光を避け、水を求めて深く強く張ります。こうすれば秋の台風にも倒れずに耐えてくれます。

<酒蔵の様子>

 今月から始まる新しい醸造年度。今年も例年通り10月に醸造を開始すべく醸造計画を作成。一段落しました。
 江戸時代、創業の頃に建てられた白米蔵。自社精米をやめた昭和40年代以降、資材置き場になっていました。造り酒屋では酒税管理の観点から帳簿の保管期間が長く、帳簿類の保管場所に困っていましたが、この蔵に棚を設置してそれらの保管にも使っています。中央には二代目の妻が明治4年に嫁いで来た時に乗った花嫁駕籠が吊られています。
 夏の比較的余裕のある今の時期を利用して雑物を整理し、床板を張り替えました。内壁は藁を練り込んだ土壁ですが、これを機に半分を白壁に塗ります。筆者の母が描いた油絵を掛けてちょっとした美術館の雰囲気にする予定です。

<模型で作る情景>

  今回は、「攻撃開始」。1941年11月、トブルク要塞の包囲を解くべく英軍はエジプトからリビアへの攻撃を開始。重装甲を誇るマチルダ歩兵戦車が岩石砂漠の斜面を下り、その横を歩兵が走ります。
 第一次世界大戦で初めて戦車が登場しました。戦車は、暗号名で水槽(TANK)と呼ばれ、それが今日に定着しています。戦車は攻撃の先頭に立って敵の塹壕陣地を乗り越え、歩兵は戦車を盾にして続きました。戦車の利用はこういう形で始まりましたので、英軍では第二次世界大戦時にも歩兵援護の戦車、即ち歩兵戦車というものを持っており、歩兵部隊の中に配備していました。一方、独軍は歩兵部隊に戦車はなく、戦車は機甲師団という戦車集団で運用し、それに随伴する兵士は装甲車やトラックなど車両で移動する、歩いて行軍しない機械化部隊でした。
 という訳でこの情景は、英国歩兵の攻撃の1シーンを切り取ったものです。
 展示にあたって手を加えた点は次の通り

  • マチルダ戦車は、砂色一色で塗られていました。情景としておもしろみがないので、近年リニューアル発売された同型戦車模型の箱絵を参考に濃緑と水色の直線迷彩塗装を加えました。又、戦闘車両の紅白識別マークも書き加えました。昔と違って粘着力の強いマスキングテープがありますので、簡単に仕上がりました。
  • 新たに発見された二体の走っている歩兵を横に配置しました。この二体の歩兵は、当時(1975年頃)の田宮模型製品の中でもとりわけ躍動感のあふれる良いできです。歩兵の小銃背負い紐を紙で自作しました。
  • 地面は板を切って傾斜面を作り、紙ヤスリを貼りました。紙ヤスリは折り曲げて粗い皺を付け、岩盤がむき出しになっている風情にしました。

 眺めれば眺めるほど味のある戦闘シーンになりました。戦車長の眉は黒に塗られており、どことなく若い頃の森進一に似ています。

 

写真1:土用干し(7月29日)
写真2:白米蔵
写真3:攻撃開始(横から撮影)
写真4:攻撃開始(上ろから撮影)
写真5:攻撃開始(前から撮影)

2019年8月
中谷酒造(株)代表取締役  中谷正人