赤膚焼AKAHADA-YAKI

 奈良市と大和郡山市の境にある五条山付近は陶土を産し古くから窯業が行われました。
 茶道が普及した安土桃山時代には、大和・和泉・紀伊三国を治める百万石の城下町・郡山を築いた豊臣秀長も茶道具を作らせたと伝わります。

 赤膚の名称は18世紀末、郡山城主・柳沢保光の保護を受けた住吉屋が始めました。赤膚焼は遠州流茶道の七窯に選ばれています。幕末に奥田木白という名工が融通無碍の作風で赤膚焼の名声を高め、現在は奈良県の伝統工芸として8つの窯があります。

酒器の打合せ / 尾西 楽斎と中谷 正人酒器の打合せ / 尾西 楽斎と中谷 正人

Photo:酒器の打合せ / 尾西 楽斎と中谷 正人

Sake becomes beautiful
日本酒が麗しくなる
赤膚焼

Nakatani selection
六代目 中谷正人
セレクション

赤膚焼一覧

中谷正人が厳選する赤膚焼。

赤膚焼 南都古瓦皿
06 | Akahada Nanto old tile plate
赤膚焼 南都古瓦皿(なんとこがざら)
南都七大寺から興福寺、東大寺、薬師寺、法隆寺、元興寺を選び、それぞれの丸瓦に押された蓮華紋を皿に写しました。白い釉薬は軽快なリズム感があり、料理や菓子を上品に見せてくれます。
赤膚焼 奈良絵汲み出し茶碗
07 | Akahada Pumped tea bowl
赤膚焼 奈良絵汲み出し茶碗
(くみだしぢゃわん)
伝統の奈良絵が華やか。冷や酒をグイッとやりたくなる形状にそそられます
赤膚焼 ろくろ目小鉢
08 | Akahadayaki Potter's wheel small bowl
赤膚焼 ろくろ目小鉢(ろくろめこばち)
轆轤整形した小鉢を敢えて歪ませ、高台を高くした小鉢。彩の良いものを盛ればちょっとした料亭気分。
薬師寺東塔基壇土 鉄鉢ぐい呑
09 | Akahayaki Iron bowl cup
薬師寺東塔基壇土 鉄鉢ぐい呑(やくしじとうとうきだんど)
解体修理時に特別に分けていただいた基壇の土で作成したぐい吞。釉薬は使わず登り窯で焼き締め、鉄を思わせる質感を表現しました。キリッとした味わいを感じさせてくれます。
赤膚焼 鹿箸置
10 | Akahayaki Deer chopstick rest
赤膚焼 鹿箸置(しかはしおき)
一匹ずつ微妙に異なる手作り整形の個性が味わい深く、奈良公園散策の想い出が蘇ります。
赤膚焼 軒平瓦箸置
11 | Akahada Eaves tile chopstick rest
赤膚焼 軒平瓦箸置(のきひらがわらはしおき)
南都古寺の平瓦を模した箸置き。軽妙なデザイン、湾曲した形状で箸が安定する実用性が魅力です。

Kohaku Kiln
香柏窯こうはくがま」と
命名せられし窯名

香柏窯:店内

 尾西家は代々製陶に従事して参りました。
 幕末、奥田木白という名人が赤膚焼の名を高めました。郡山藩主柳沢公は、木白の技術が広く受け継がれるよう城下の高田に新しく窯を作らせました。「香柏窯」(木と白で柏)と命名し、窯を任された尾西家に「楽斎」の号を授けて下さいました。それが今に続く赤膚焼楽斎です。

 香柏窯では木白の轆轤師縫造の技術を守り、釉薬に工夫を凝らし、赤膚焼の伝統を受け継ぎながら新しい物にも挑戦して参りました。

 富本健吉氏、法隆寺佐伯定胤猊下、薬師寺橋本凝胤猊下はこの香柏窯で作陶を楽しまれました。棟方志功、宮本三郎、管楯彦、矢野橋村、西晴雲、鍋井克之、斉藤与里、山下繁雄等の名師の来訪もあり交遊の作品が残ります。

『焼き物は 我が意のままにならずして 地水火風の恵みなり』

 古より伝えられる焼き物を言い表す言葉で、祖父の五代楽斎も時折口にしておりました。手仕事ならではの良さを伝えられるようこれからも精進して参りたいと思っております。

香柏窯こうはくがま八代 尾西 楽斎

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赤膚焼窯元 香柏窯

赤膚焼窯元 香柏窯 尾西 楽斎あかはだやきかまもと こうはくがま おにし らくさい
〒639-1132 奈良県大和郡山市高田町117
TEL:0743-52-3323

電車をご利用の場合
JR大和路線郡山駅下車、南へ1分。近鉄郡山駅下車、東へ徒歩12分。