VOL.1 高速道路は羊の牧場

投稿日:1996年9月01日

中国の交通事情

中国の交通事情

 中国人には行列の習慣がありません。マルクス主義者でさえも行列を教えることができなかったわけですから、相当根強い習慣ということになります。その習慣が運転マナーに如何なる影響を及ぼすか、中国でクルマに乗るとそれは一瞬で理解できるはずです。それが、大都市でも北京・天津など経済開発度の低い地域に行きますと顕著に現れます。朝夕のラッシュ時には交差点は自転車と歩行者とクルマで埋まり、各々が信号を無視して交差点に入り込みそこで渋滞です。

 私の工場のある天津では信号がほとんど無い事もあり、大きな交差点では必ずと言っていいほど警官が交通整理をしています。しかし警官の指示を守るのは、クルマだけ、自転車と歩行者は完全に無視していますので、やはり大渋滞が発生します。前が進まないと反対車線を走り始めます。従って反対車線も完全にクルマの交通が止まってしまいます。しかし、不思議な事にラッシュ時が済むと何事も無かったかのように又、雑然とした中にも交通が復活するのです。

こんな事に今ではもうほとんど慣れてしまいましたが、そんな中でどうしても許せない3つの事があるのです。 

その1

北京から天津までは立派な高速道路が通じています。その高速道路はほぼ日本と同じものと考えていただければ良いのですが、一つ大きな点が異なります。道路のエリアと外側を隔てるフェンスが所々破られているのです。ですから路側帯を歩行者や自転車が時々通っているのです。それはまだ許せます。こんな事で驚いていたのでは中国で生きては行けないのです。

 しかし、絶対に許せないのは、羊を放し飼いにしている事なのです。飼っている本人は羊のそばでのんびりと歩いているので、彼が故意に羊を路側帯とフェンスの間の草地に入れていることは明白です。羊は時には路側帯を歩き、時には車道にも入るのか、ひかれた死骸がころがっています。

 高速道路で羊にぶつかると命に関わる事故になります。人をひき殺しても民事上の賠償額が日本円で20万円の国ならでは、かもしれませんが、羊ごときに命を左右されたくないものです。絶対に。ですから、私は声を大にして言いたい。

高速道路で羊を飼うのはやめてもらいたい!

その2

道路の下には、上水道、下水道、電話線、電気ケーブル、時には地下鉄など多くのものが埋設されています。そして維持補修の便宜をはかる為に、道路に穴を確保し、鉄製の蓋を載せてあります。

一方、貧富の差が拡大し、社会主義と市場主義を埋める新しい価値観が形成されていない現状では、無理からぬ混乱が生じます。もう言いたい事はおわかりでしょう。その蓋が盗まれて無くなってしまうのです。弊社の西側、農村に面した場所でも被害が出ています。

 その結果、昼間はもちろん街灯が少ない中国では夜間は極めて危険な情況を生じます。人は落ちて怪我をし、自転車は、車輪がひしゃげ、時にはフレームまで壊れます。クルマも同様です。極めて大きな社会的損失を生み出しています。

しかも一度なくなると、当分の間新しいものが載せられる気配はありません。今日も中国中で多くの人的、物的損失が出ています。ですから、私は声を大にして言いたい。

マンホールの蓋を盗むのはやめてもらいたい!

その3

 緊急車両が通ると日本では、よほどのマナーの悪い人でない限り道を譲ります。中国ではほとんどの人が譲りません。もっとも緊急事態でも無いのにサイレンを鳴らして早く行こうとするニセ緊急車がたくさんある事も事実ですが。本当の緊急事態の場合はどうするのですか。病人が乗っている様子の救急車も走っています。人命がいくら安いとはいえ、それは相対的な事、許されるはずがありません。 ですから、私は声を大にして言いたい。

緊急車両には道を譲りましょう!

 以上、三点、言ったところで何がどうなるものではないのですが、一応書いてみるとホットしました。中国国内で、上記文章が理解できて、それを改善しようと言う熱意があって、実際に改善出来る地位・権力のある方がこれをご覧になっている事を切に期待しています(ありえないか・・・)。      つづく