VOL.63 モーターショーとミニスカートとチャイナドレス

投稿日:2001年9月10日

モーターショーとミニスカートとチャイナドレス

1.6月のある日

 上海のオフィス街、虹橋を通りました。ピカピカに塗装されたトラックやミキサー車など大型車が大きな建物の周りに並んでいます。建物の中には乗用車が並んでいる様です。

 うちの営業マンが自慢そうに言います。

 「モーターショーですよ。社長、日本にもありますか。」

2.ミニスカート

 「当たり前や。日本では、東京モーターショーて云う、もっと規模の大きいのを毎年千葉でやるんや。」

 そう言いながら、晴海から幕張に移転しても「東京」なんやろうかと心配しつつ、成田の新東京国際空港や、浦安の東京ディズニーランドを思い浮かべます。続けて、

 「綺麗な女の子が、短いスカートをはいて、車の説明をするんや。」

 「どうして女の子なんですか。オッサンはだめですか。」

 「・・・そらー、構へんけど。でも女の子の方が、楽しいやろ。」

 私は、「オッサンがミニスカートはいても様にならんやろ。」と言いかけてやめたのでした。

3.間近に見る

 翌日も同じ所を通りました。強烈な低音がズンズンと腹に響いてきます。信号が青に変わって走り始めると、展示車に囲まれた特設ステージ上にミニスカートをはいた踊り子が数人、激しい音楽に合わせて踊っているのが見えました。リハーサルのようです。

 中国語でミニスカートは、「迷你裙」(ミーニーチュン)と云います。「MINI」の音はそのままに「迷你」(あなたを迷わす)、それにスカート「裙」と、うまい漢字を当てたものです。

 因みに、この「迷你」は、スカートのおかげで独立し、単純に小さいという意味だけであっても例えば、「迷你電話」という風にも使われるようになりました。

4.チャイナドレス

 起源は清朝を建てた満州族の民族衣装「旗袍」(チーパオ)です。日本の和服もそうですが、本来の中国服もゆったりしています。対照的に、旗袍は上着とズボンで構成され、体にぴったり合っているのが特徴です。

 1911年、清朝が倒れ、中華民国が成立しました。中華民国は、中国史上初めての国民国家でした。その国民意識の高揚の中で、旗袍のズボンの代わりに上着の裾を足元まで伸ばしてワンピースにした新型旗袍を作ったのです。それがいわゆるチャイナドレスです。現代中国語では、これも「旗袍」と言います。

5.観察する

 ホテル、高級中華料理店、バーなどでチャイナドレスを着ている女性をよく見かけます。サイドスリットの深いものが多く、見えそうで見えない、その微妙さがミニスカートにはない魅力となっています。

 さて、チャイナドレスの下は、何も身につけないのが正式とか。こんな話しをしても誰も信じてくれませんが、私は蘇州で見たことがあります。昼間、食堂のウェイトレスが表で風に吹かれて裾がめくれ上がったのです。おしりが丸見えでした。

 こんな偶然に恵まれない方は、何らかの方法を考えることになります。但し、中国の女性はプライドが高いので、確認の方法については慎重なる検討が必要です。

6.12月に

 今回の上海モーターショーは、運営面で折り合わず海外の大手メーカーが参加しませんでした。会場も3カ所に分かれ、回りにくい上に今ひとつの内容だったとか。

 一方、今年の12月には同じ上海の浦東に巨大な展示場ができて、こけら落としにモーターショーが開かれるという報道もあります。海外の大手も参加するそうです。

 12月といえば、いくら上海でも寒さが身にこたえる時期です。ミニスカート派のみならず、チャイナドレス派にとっても見所のあるショーになる可能性があります。

 尚、読者の皆様に於かれまして、勘違いがあってはいけませんので、モーターショーは「あくまでもクルマが主役」であることを申し添えておきます。

つづく