VOL.93 2月14日は何の日

投稿日:2004年3月08日

2月14日は何の日

 「中国でバレンタインデー?」と誰もがお思いになることでしょう。ところが数年前から徐々に広まり、今では日本に匹敵する程の盛り上がりを見せています。

1.「情人」とは

 中国語では、「情人節」と言います。「情人」とは恋人、或いは既婚者のいわゆる愛人を意味します。「」は祝日の意味です。

 因みに解放後の中国では正式の配偶者のことを「愛人」と表現するようになりました。日本人にとっては紛らわしい表現ですね。

 こう書くと、テレサ・テンのファンの方は、「愛人」というタイトルや「襟裳岬」の中国語版の「愛人我的愛・・・」(あなた、わたしの愛は・・・)の「愛人」はどうなんや?

 という疑問をお持ちになることでしょう。彼女の出身地の台湾では、従来通り男性配偶者を「先生」と呼びますから、これは全く「情人」即ち恋人を意味しています。

2.情人節の起源

 「Saint Valentine’s Day」、手許の英和辞典によると、女性が男性に贈り物をしたり恋文を渡す日とされています。

 日本でも女性から男性に言い寄るのは、はしたないと思われていた時代がありましたが、近代以前の西洋でも女性から男性に愛を告げることは道徳律で制限されていたのです。この日は女性にとって一年に一度、公に認められたチャンスでした。

3.なぜかチョコレート

 日本では贈り物がチョコレートに特化しています。チョコレートメーカーの業界を挙げての販売促進策の勝利と言えます。

 中国ではお互いにプレゼントを交わしますが、チョコレートを渡すのは女性ではなく男性の役割です。

 チョコレートには「甜密」、即ち「甘い」関係という意味があります。男性は、バラの花もプレゼントすることが多く、何百元もする高価なバラも売られています。バラの甘い香りとチョコレート、ダブルの「甜密」です。

 男性が、バラやチョコレート選びに掛ける時間・労力・金額は、女性の誕生日やクリスマスのプレゼント選びを遙かに上回るそうです。当然、「義理チョコ」など、入り込む余地はありません

 こうして見ると、中国では「女性から男性へ」という理念から離れて「男性から女性へ」という流れに変化しているように思われます。

4.恋人同士が一緒に過ごす日

 夕暮れ時にはぴったりと寄り添うカップルが繁華街に満ちあふれます。たいていバラの花束を持っています。欧米風のおしゃれなレストランで一緒に食事をしたあとは、寄り添って散歩、或いはバーに行ったり、デートのフルコースです。

 中国には割り勘の習慣はありませんので、全て男性負担です。

 こんな日とも知らず行きつけのバーにふらりと入ると、

 「何じゃ、こりゃあ!」

 カップルで席は全て占拠されています。中年のおっさんが入り込む余地はありません。

5.ホワイトデー

 バレンタインデーが終わって数日経った日、或る大手日系スーパーマーケットの責任者の方と話す機会がありました。
 「チョコレート、もらいました?」私が話題をふりました。

 「そういえば机の上に2つ置いてあったなあ」と責任者。日系だけに、女性からもらえる義理チョコが存在しているようです。

 「社長、中国のバレンタインデーはすごいですよ。結構、物が動きます。そうだ、ホワイトデーの企画を考えよう!」
 中国ではまだホワイトデーは一般的ではありません。バレンタインデーを広めたのは、日系も含めた外資系の百貨店や高級スーパーです。

 そう言えば、チョコレートがプレゼントの主流であるのは、日系の影響かも。ホワイトデーも同様に広まっていくに違いありません。

 さて、中国のホワイトデーはどんな風に根付くのでしょう。今のところ、「男性から女性にチョコレートを贈る」ことになっているらしいのですが、バレンタインデーのお返しの日とすれば、女性から男性への贈り物が主になるはず

 或いは、女性が続けて「甘い目」を見る日になるのでしょうか。もちろん、男性にもその見返りが何らかの形であるには違いありません。

つづく