今宵の晩餐 vol.5 夏の野菜炒め

投稿日:2022年7月14日

野菜炒め

皆さん、こんばんは。六代目当主の中谷正人です。

 連載の五回目。家飲みの楽しみを分かち合いましょう。
 例年になく短かった梅雨が明け、盛夏がやってきました。戻り梅雨の雨も降りますが、雲が去ると夏の青空が拡がります。ひたすら暑い日々。夏の野菜はすくすく育ち、露地物のキュウリやピーマンが美味しい季節になりました。簡単にできる夏野菜の炒め物で冷酒を楽しみます。

主役の酒

清酒 三日踊(みっかおどり)純米大吟醸

 仕込(しこみ)と呼ばれる原料投入期間における酵母菌の増殖を待つ日を踊(おどり)と言います。酵母菌が増殖して盛んに泡を出す状態を表しています。踊は通常1日から2日ですが、三日踊シリーズでは三日間としており、それが酒名の由来です。十分な数の酵母菌で勢いよく発酵させることにより酵母菌本来の性能を発揮。高い吟醸香と軽やかな旨味が生まれます。  この三日踊純米大吟醸は、精米歩合35%。米粒の外側を65%磨き落とした原料米を使用。優しくフルーティーな香りと味はアテの幅を広げてくれます。

アテ

夏の野菜炒め

 フライパンさえあれば簡単にできる野菜炒め。思い立ったら5分でできるのが魅力です。主役の夏野菜は、ピーマン、キュウリ、それにジャガイモです。「キュウリ?、ジャガイモ?」と思われた方、馴染みがないかもしれませんが、中国の家庭料理では炒め物によく使われる食材です。強い火力で短時間炒め皿に盛りつけると、食べるまでの間に野菜に含まれる糖化酵素が働いて野菜の甘みが増します。

 先ずは中華鍋(なければフライパン)でニンニク、輪切り唐辛子と共に豚のこま切れ肉を炒めます。適度な塩コショウをお忘れなく。細く切ったピーマン、キュウリ、それに細く切ったあと水洗いしたジャガイモを投入。強火で2分ほど炒め、水100ccほどに片栗粉と薄口醤油小さじ2杯を加えて攪拌したものを注ぎかけ、30秒ほど絡めながら中火で加熱すればできあがり。オイスターソースがあれば、薄口醤油小さじ1杯分の代わりにして下さい。旨みが増します。

晩餐

 今宵も家内と一緒に晩酌(ばんしゃく)です。

 ブルーのボトルから冷酒グラスに注がれた三日踊純米大吟醸は甘い香りを立ち昇らせます。グラスは予め冷凍庫で冷やしておき、酒温も思い切って10度程度に下げています。
 先ずはキリっと冷えた酒を一口。これだけで満足しそうです。そして野菜炒め。ジャガイモにはコリコリとした歯ごたえがあり、甘みを感じます。キュウリも歯ごたえがあり、これまた甘みを感じます。それにピーマンが個性を発揮してくれます。冷たすぎる酒を口に含むと、直ぐに温まって酒の旨みが拡がります。

 野菜炒めと冷酒を交互にやります。唐辛子の輪切りに当たるとアクセントになり、酒が続くことも。暑気払いの美味しいひと時。今宵も満足です。

ではまた次回。