今宵の晩餐vol.7 生牡蠣

投稿日:2022年10月30日

生牡蠣

皆さん、こんばんは。六代目当主の中谷正人です。

 連載の七回目。家飲みの楽しみを分かち合いましょう。
 新蔵の開業で多忙を極め、一か月空いてしまいました。申し訳ないことです。 さて今秋。残暑が続きましたがようやく気温が下がり始め、食欲の秋。今年はサンマもそこそこ入手でき、楽しんでいました。そして金曜。何と!いつも門前に来てくれる魚屋さんが牡蠣を運んでくれました。初物といえば食べない訳には行きません。既にそこそこのサイズ。結構プリプリになっています。

主役の酒

清酒 大和郡山 中谷 (2022BY 24本目の酒)

 今回合わせる酒も新設の柳町醸造所で造られたフレッシュな生の純米吟醸酒です。今季24号の酒。酵母は701号で今日搾り終えたばかり。原酒はアルコール度数が19度近くありますが、製品は加水されて14度で飲みやすくなっています。ただ、原酒は日本酒度が+10と超辛口。加水後でも+7。しかし圧搾時に布目を超えた麹や米の粒子が薄く白い濁りとなって甘みを添えてくれますので、バランスの取れた綺麗な辛口に仕上がっています。

アテ

生牡蠣

 生牡蠣は贅沢な食材です。牡蠣で当たったという方は苦手意識をお持ちでしょうが、「生食用」と書かれているものは安心です。因みに牡蠣は焼くと旨みが増します。アルミホイルの上に清酒、醤油、砂糖のタレをまぶした牡蠣を置き、オーブンで6分。最高です。

 今回求めたものは既に大粒。ふっくらとしています。多忙な現代人のアテですから手のかからない酢の物にします。先ずは牡蠣を水洗い。添え物の塩もみキュウリは、スライサーを使いますので簡単。ワカメは湯で戻します。小鉢に盛り付けた後、雑魚(じゃこ)をキュウリの上に載せ、これで盛り付けは完成。酢、醤油、麵つゆを同比率で混ぜて掛けます。酒のアテですから七味唐辛子を少し多めに牡蠣の上に。これで完成。

晩餐

 今宵も家内と一緒に晩酌(ばんしゃく)です。

 先ずは生酒を一口。淡い炭酸が舌に当たると共にフルーティーな甘みが口の中に拡がり、幸せな気分になります。飲み込むと甘い香りが鼻に抜けます。幸せです。そして牡蠣。甘く、そして独特の風味とコクが口いっぱいに広がって、これまた幸せ。そして酒。牡蠣の旨みと交わって、幸せを拡げてくれます。そしてもう一杯。口がすっきりして酒の美味しさを再認識。キュウリと少しのワカメ、そして雑魚を口にします。雑魚の塩味が口の中を引き締め、そこで酒を一口。旨い!。酒が引き立ちます。そして牡蠣。独特のコクが全てを打ち消して口の中に拡がります。そして酒。

 こうしていつの間にか牡蠣も、そして利き酒用に用意した酒もなくなりました。 この後は何を飲むか・・・。嬉しい悩みになりました

ではまた次回。