
皆さん、こんばんは。六代目当主の中谷正人です。
連載の三十二回目。家飲みの楽しみを分かち合いましょう。
このブログはまた二か月のお休みをいただきましたが、晩酌は休みなく続けています。
今年の梅雨は短く、一年で一番日射しの強い6月下旬から真夏を迎えました。陽光はくらくらするほどの熱気をもたらし、暑さにうだる毎日です。夏と言えば鱧(はも)。友人が奄美の島味噌を送ってくれました。これを合わせて楽しむとしましょう。
主役の酒
清酒 萬穣 大吟醸
本社で醸造をした最後の年の大吟醸を冷蔵貯蔵したものです。残り僅かになりましたが暑さを乗り切る為には旨い酒が必要です。
アテ
島味噌で鱧
先ずは奄美の島味噌(しまみそ)の紹介。蒸した大豆を粗くつぶし、たっぷりの米麹を混ぜたもの。発酵というか熟成期間を置かずにそのまま出荷されます。常温流通で徐々に甘みと旨みが増して行きます。我が家に到着した時点で、真夏の気温が作用して既に充分な甘みが出ていました。
島味噌と一粒の梅干しをまな板の上で包丁で叩き、大豆の粒を細かくします。なめろうを作る要領で、角度を変えて何度も叩きます。2分ほどやったあとボールにいれて酢を適量くわえて混ぜ、ジャムぐらいの柔らかさにします。
鱧は適当な大きさに切ってから熱湯に放り込み、1分ほどして湯の中で身が踊り始めたら氷水に取ります。充分に熱を取らないと色が変わりますので氷を足して10分ほどで取り出し、水気を切って盛り付け。上に島味噌の酢味噌を載せて完成です。
晩餐
今宵も家内と一緒に晩酌(ばんしゃく)です。
冷たーい大吟醸を一口。爽やかで涼やかでそのまますーっと喉から胃に落ちて行きます。軽やかな吟醸香が鼻孔に抜けます。旨い!。そして鱧。鱧自体は白身魚の旨みこそ多いのですが特段の個性はなく、酢味噌が味の方向を決めます。まったりとした甘み、ほのかに梅の風味が感じられ何とも言えない調和が口の中に拡がります。旨い!。
すっと大吟醸を一杯。そして鱧。爽やかさと調和の連鎖。今宵も満足です。
ではまた次回。