皆さん、こんばんは。六代目当主の中谷正人です。
連載の三十六回目。家飲みの楽しみを分かち合いましょう。
梅雨に入りました。今年は季節外れの台風もやってくる特別な梅雨時になりました。とは言え真夏は間もなくやってきます
店頭に並ぶ茄子が増えてきました。サイズも大きくなり季節の食材としての主張が私を突き動かします。茄子の煮びたしを作ることにしました。
主役の酒
清酒 奈良吟 一貫造り 8年古酒
地元で酒米の山田錦を栽培し、それを原料にして造った奈良吟(ならぎん)。一定期間を経ましたので2018年のロットを残して「完売」としていました。今や貴重となり、時間経過によるマイナス要素を消す為に澱下げ濾過を行ったところ完成度の高い熟成酒に仕上がりました。この度「8年古酒」として販売を再開しましたのでこの酒を常温(ひや)で合わせます。
アテ
茄子の煮びたし
茄子をフライパンで焼き、醤油ベースの出し汁に漬けた定番料理。特段自慢できるようなひねりはないのですが、それを作ります。
今の時期は大きめの茄子もありますが、一人前茄子1本。一本を4つに切ります。今回は少し大きめの茄子がありましたので一人前6切れです。
茄子は半分に切り、更に半分。切れ目を入れてフライパンに油を敷き、皮の側を5分ほど中火で焼きます。裏返したら弱火にしてその間に出汁を取ります。出汁は削り節と出汁昆布を10分ほど煮て濾します。
茄子は10分で火を止め余熱で柔らかくします。出し汁に醤油で若干濃い目に味を付け、そこに茄子を入れてひと煮立ちさせたら出来上がり。皿によそり、汁を掛け、10分ほど待ってから食します。こうすることによって茄子が出汁を吸って旨みが増し、酒のアテになります。彩(いろどり)と味わいの刺激に甘酢漬けの新生姜を添えます。
晩餐
今宵も家内と一緒に晩酌(ばんしゃく)です。
奈良吟古酒を一口。澱下げ時に活性炭素を使用していますので吟醸香は消えていますが、吟醸酒独特のフルーティー感は深い干し葡萄のような甘味に変化しています。優しい甘みが酒の旨みと共に口いっぱいに広がります。そして茄子。優しい茄子の旨み、そして甘みが夏!。そこに古酒。茄子の余韻と共に口に馴染んで素直に喉に入って行きます。旨い!。甘酢漬けの生姜、そして茄子。生姜の刺激が茄子の旨みを高めてくれます。そして古酒。やはり旨い!。今宵も満足です。
ではまた次回。
